当ページでは、新築住宅の補助金・助成金等に関連して、移住・住みかえ支援適合制度について解説している。
移住・住みかえ支援適合制度は、補助金・助成金とは趣旨が異なる制度だ。趣旨は異なるが、住宅を新築する際にはぜひ知っておきたい「お得な制度」として、広く認識しておいていただきたい制度でもある。
移住・住みかえ支援適合住宅制度とは、移住・住みかえ支援機構(JTI)が行っている自宅の借上げ制度のことである。
制度の内容は、新築した自宅を移住・住みかえ支援機構(JTI)に借上げてもらうことで、自宅を他人に賃貸できるというもの。賃貸で得られた家賃は、同機構を通じて賃料として家の持ち主に入る仕組みだ。
移住・住みかえ支援適合住宅制度を利用するためには、原則的な条件として住宅の持ち主が50歳以上でなければならない。しかしながら2008年4月、同制度の内容が一部変更され、長期優良住宅等の長寿命の家に限り、50歳を待たずして制度を利用できることとなった。手続きはいたって簡単だ。
新築はしたものの、転勤などでしばらく住む予定がなくなった家をお持ちの方には、非常に重宝される制度となるだろう。
移住・住みかえ支援機構(JTI)とは、移住・住みかえ支援適合住宅制度を中心とした様々なサービスを行っている非営利団体である。住宅としての価値があるにも関わらず使われない家をお持ちの方に対し、その家から家賃が生まれるよう金融資産化すること、および、制度の優遇的な内容をきっかけに社会へ優良な住宅ストック(長期優良住宅など)を循環させることなどを目的とし、日本人全体の住環境向上を目指している。
機構には国の基金による支援や大手企業等の協賛が寄せられているため、その運営は安定的だ。安定運営を背景に、近年は制度利用者に対して毎年10億円規模の家賃を支払いが実現している。
今後も良質な住宅を世代間で有益に循環させるため、社会インフラの一環として活動を拡大させていく方針だ。
マイホーム借上げ制度とは、自分が所有する住んでいない住宅を、移住・住みかえ支援機構(JTI)に借上げしてもらえる制度のことである。賃貸が可能な状態である限り、所有者が希望すれば終身にわたり住宅を借上げてもらうことができる。
借上げてもらった住宅については、移住・住みかえ支援機構(JTI)が入居者を探して賃貸借契約を締結。入居者から入る家賃は住宅の所有者に入る形だ。もし入居者とのトラブルが生じた場合でも移住・住みかえ支援機構(JTI)が対応するため、所有者が手を煩わせることはない。
なお、マイホーム借上げ制度を利用できるのは、各種条件を満たした50歳以上の方。50歳未満の方が同制度を利用するためには、機構が設定した「かせるストック」の認定を受けることなど、別途でいくつかの条件を満たす必要がある。
移住・住みかえ支援適合住宅制度の概要について解説した。
世の中には、住宅としての価値が十分にあるにも関わらず、実質的に空き家と化している家が少なくない。所有者にとって空き家は、固定資産税やメンテナンス費用を負担するばかりの負の遺産に等しい。
また定年退職に際し、第二の人生をスタートさせるための一環として、退職金を元手に住み替えを検討する方もいるだろう。その際、これまで住んでいた住宅の処遇について悩む方も少なくない。
相続や生前贈与、住み替えなどで住まなくなった家をお持ちの方は、ぜひ移住・住みかえ支援適合住宅制度を利用して安定的な家賃収入を手にしてはいかがだろうか。