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RC住宅の寿命とは

マンションやアパート、一戸建てなどの建物には、耐用年数が設定されている。RC住宅についても同様に耐用年数がある。ここでは、RC住宅をはじめ、さまざまな構造の住宅の耐用年数を紹介するとともに、RC住宅の寿命について説明していく。法定耐用年数と実際の建物の寿命とは異なるので、しっかり理解しておくことが大切だ。

耐用年数とは?

耐用年数とは、減価償却の計算に使われる年数のことで、正式には法定耐用年数という。資産が利用に耐える年数のことで、減価償却の計算が必要なのは、アパートやマンションのオーナーなど、所有する不動産から収益を得ていて、納税する場合である

所有する資産を「決められた年数」で分割して毎年費用として計上するが、法定耐用年数とは、この「決められた年数」を指す。例えば、1,000万円の減価償却資産があり、その法定耐用年数が10年の場合、10年にわたって毎年100万円ずつ費用として計上することができる。資産の種類や構造などにより、法定耐用年数が詳細に定められているが、実際の寿命というよりは、税務上の数字ということになる。

RC造の法定耐用年数は47年

建物の耐用年数は、構造や用途によって異なり、省令で定められている。住宅用建物の構造による耐用年数は、以下の通り。

軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm以下) 19年
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm超4mm以下) 27年
重量鉄骨造(骨格材肉厚4mm超) 34年
鉄筋コンクリート造 47年
木造 22年

実際のRC造の寿命は
47年よりも長い

鉄筋コンクリート造(RC造)の耐用年数は47年だが、建物本来の寿命は65年以上とも100年以上とも言われている。実際は、耐用年数である47年よりも長い期間快適に暮らすことができているようだ。そして、RC造の建物が取り壊される理由には設備や機能面、経済面であることがほとんどで、建物の寿命を理由に取り壊されることは多くないようだ。

建物の寿命は管理状態にも
左右される

RC住宅の耐用年数は47年、「寿命」は65~100年以上などと言われているが、実際のところは建物の管理状態や周辺の環境によって、建物寿命は大きく左右されることになる。例えば、海の近くであれば、鉄は錆びやすく、直射日光が当たる外壁は劣化しやすいなどが考えられる

定期的なメンテナンスが重要

建物の周辺環境を変えることは難しいからこそ、重要になってくるのが定期的な建物のメンテナンスである。いくら耐久性が高いRC住宅であっても、長い間、風雨や日差しにさらされれば、当然消耗する。しかし、定期的に点検や適切な修繕を行うことで、耐用年数よりも長く、快適に暮らせるマイホームにすることができるということを覚えておくとよいだろう。