建物の遮音性は、構造によって大きく異なる。RC住宅は遮音性が高く、木造住宅は遮音性が低い。単位当たりの質量が大きく、分厚い材質ほど遮音効果が高くなるのだが、RC住宅は、質量の大きいコンクリートを使用しているため、遮音性に優れているということだ。ここでは、RC住宅の遮音性と防音性について説明していく。
防音とは外からの音を室内に入らないようにしたり、逆に室内の音が外に漏れたりするのを防ぐことで、音を遮る「遮音」と音を吸収する「吸音」に分けられる。
建物はさまざまな構造で建てられており、構造によって遮音性能は大きく異なる。鉄筋コンクリート造(RC造)は、コンクリートを流し込んで造られるため隙間ができにくく、硬い素材が音を跳ね返すので遮音性能に優れた構造だといえる。
コンクリート造(RC造)は、木造(W造)、鉄骨造(S造)と比べると空気の振動によって伝わる音を抑えることが可能であり、「うるさい音が気になる」という人にとって鉄筋コンクリート造(RC造)はお勧めの建築構造だと言えるだろう。
木造と鉄筋コンクリート造(RC造)の中間ともいえる鉄骨造だが、骨組みによっては遮音性能が良くなく、軽量鉄骨にいたっては遮音材の使用量によっては木造よりも遮音性が劣ることもある。
空気を伝わって聞こえる音は、壁のような遮蔽物に当たるとその向こう側に伝播する音が小さくなる。
単位面積当たりの質量が大きく、分厚い遮蔽物になればなるほど遮音効果は増していく。よって、質量の大きなコンクリートを使用したRC造の建物は、遮音性において優れているといえる。また、同じ厚さであれば木造の壁よりもコンクリートの壁の方が遮音性能は高く、コンクリートの壁よりも鉄板の壁の方が遮音性能に優れているということになる。
一般的にRC住宅の壁厚は160mm前後、天井スラブ(床版)は200mm前後ある。具体的には、トラックの走行音並みの騒音が80デシベル、それが図書館の屋内より静かなレベルである20デシベルまで低減されるイメージだ。木などの軽い部材で躯体が構成される木造や鉄骨造がRC住宅と比べると遮音性が低いのは理解できるのではないだろうか。