ここでは、RC住宅のメリット・デメリットを簡単にまとめている。RC住宅は、耐火性や耐震性において、一般的な木造住宅より優れており、他にも様々なメリットがある。一方で、建築コストが高く結露やカビが発生しやすいなどのデメリットもある。RC住宅のメリットだけでなく、デメリットもしっかり理解して検討することが大切である。
鉄筋は引っ張りに強く、コンクリートは圧縮に強いため、それぞれの特性が活かされたRC住宅は極めて高い耐震性を誇る。全体の重量を「面」で支える構造が、建物にかかる負荷を分散させ、揺れによるダメージを最小限に抑えることが可能だ。
鉄筋コンクリートは熱に強い特性があり、1,000度の炎に数時間されされても、崩れることも強度が落ちることもない。そのため、住宅が密集する場所では特に効果が期待できるだろう。また、一般的な木造住宅と比べて火災保険料は1/3程度に抑えることが可能である。
コンクリートは重量が重く気密性が高い素材のため、振動が起きにくく音を伝えにくい。そのため外の騒音や雑音を気にすることなく、中の音が漏れる心配が少ない。
RC住宅は材質であるコンクリートの気密性が高いだけでなく、柱と壁が一体になっているため隙間が生じにくく、高い断熱性を備えています。空調を効率よく使えるので光熱費が節約でき、夏は涼しく冬は暖かく、快適に過ごすことができる。
RC造の建物は法定耐用年数が47年で、木造住宅の22年と比べると2倍以上であり、非常に長い。コンクリートは木材と比較すると経年劣化が少ないため、長く住むことができる住宅を造ることが可能である。
RC住宅が外見で木造住宅と大きく異なるのが、デザインの自由度の高さ。曲線や円形などは他の材料では表現しづらくRCだからこそ可能なデザインだ。広い空間をつくることも強度が高いRCの得意とするところである。
RC住宅のハードルを高くしているのがその建築コストだろう。部材だけでなく工期や人件費などを踏まえると、坪単価で比べて木造住宅の約1.5倍から2倍のコストがかかると考えておくと良いだろう。また以下に挙げる理由からさらにコストが発生し、想定以上にコストが膨らむこともある。
RC住宅を建てるには、重いコンクリートや鉄筋を支える強固な地盤が必要不可欠である。そのため、地盤が軟弱なエリアでは補強するための地盤改良工事が必要となり、さらに費用が上乗せされることがある。
建築してからの数年間は、コンクリートの建物の中に水分が残っていると言われており、結露が起こりやすくカビ発生の原因になる。そのため、24時間の高性能な換気システムが必要になる。