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RC住宅の壁厚の基準

一般的な鉄筋コンクリートの壁厚は、150mm以上である。そのため、特に理由がない限りRC造の建物を設計する際は壁厚は150mmで設定する。防音性や耐震性は壁厚で左右されるため、非常に重要なポイントでもある。ここではRC住宅の壁厚の基準について説明していく。

鉄筋コンクリートの壁厚は?

RC造の壁厚は「120mm以上かつ壁板の内法高さの1/30以上」と定められているため、この基準を下回る壁厚は原則認められていない。

鉄筋コンクリートの壁厚は150mm以上が一般的で、RC造の建物を設計する際、特別な理由がない限り壁厚は150mmで設定する。もし設計上壁厚を大きくする必要がある場合は、その都度180mm、200mmと壁厚を大きくしていき対応する。

以前はRC造の壁厚は120mmが一般的だったが、RC造の構造設計法や施工基準などが厳格化されるのに伴い、現在では150mm以上の壁厚に変わってきている。なお、鉄筋コンクリートの壁厚はミリ単位の細かい寸法での精度は出せないため、120mm、150mm、180mm、200mm、250mm、300mmと、寸法を大きくしていく。高い居住性が求められるマンションなどでは、壁厚を200mmにする場合もあり、120mmと200mmの壁厚では防音性でかなり差が出る。

壁厚と防音性

壁厚の大きさは防音性に深く関係しており、壁厚が大きいほど防音性に優れていることになる。壁には外壁と内壁があり、外部に面する壁を外壁、外部に面していない壁を内壁という。

居住スペースで防音性を考える場合、外壁や住戸を仕切る壁(戸境壁)は外から入ってくる音や中から漏れる音を遮断するために、壁厚を大きくする。その反面、自分が生活する住戸内にある壁には、楽器を演奏するなどな特別な理由がない限り、遮音性を高める必要はなくなる。そのため、間仕切り壁には120mm程度の薄い壁や石膏ボードなど、鉄筋コンクリート以外の材料を使われることも多い。

壁厚と耐震性

木造や鉄骨造の外壁には、サイディングボードを使われることが多い。ところがRC造は内壁、外壁ともに鉄筋コンクリートで造られる。そして、鉄筋コンクリートの外壁は地震の際に「地震力を負担する」耐震壁の役割も担う