RC住宅は、気密性と断熱性の高さが長所であるが、その反面、結露とカビが木造住宅と比べると発生しやすいのが短所でもある。耐用年数が長いRC住宅だが、結露やカビのせいで、マイホームの寿命が縮まることは当然起こりうる。ここでは、RC住宅の結露とカビが発生する理由をはじめ、対策を説明していく。
RC住宅に結露やカビが発生しやすい要因には、湿度の高さがある。どうして、RC住宅は湿度が高くなるのかを見ていこう。
家の中で快適に過ごすには、外からの冷気や熱気を家の中に入り込まないようにして、冷暖房で適切な温度にした空気を逃がさないようにすることが大切だ。そのためには家の気密性を上げなくてはならないが、これが室内の湿度を高める要因になってしまうことがある。気密性が高く隙間がなくなると、湿気がこもることになり、結露やカビを発生させてしまうのだ。
湿気のこもりやすさは建物の材質にも関係している。木造住宅の場合木に天然の調湿作用があるため、湿度を自動的に調整してくれる。ところが、RC住宅の素材であるコンクリートには調湿作用がないので、木造住宅と比べるとどうしても調湿性が低くなってしまう。
さらに、コンクリート自体にも水分が含まれており、その水分は5年~10年かけて、放出されると言われている。築年数が浅いRC造りの建物ほど、湿度が高くなる傾向にあるのは、そのためである。
湿度が高くなりやすいRC住宅だが、ひと工夫するだけで結露やカビの発生防ぐことができる。ここでは、結露を防ぐポイントを紹介していく。
冬場は石油ファンヒーターやガスファンヒーターといった燃焼系の暖房器具を使用する人も多いだろう。実は、石油やガスが燃えるときには、水分(水蒸気)が発生する。これは、炭素(C)や水素(H)を含んでいる石油やガスが燃えると、空気中の酸素(O)と結びつき、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)に変化するからで、加湿効果と呼ばれている。
石油ストーブの上にあるケトルから出る湯気が部屋の中を加湿しているイメージがあるが、それとは別に加湿していることになる。つまり、燃焼系の暖房器具を使用することで、結露が起きる環境を率先して作り出していることになる。結露を防ぐには、外気吸入タイプのものや放射熱型のものがおススメである。
結露対策には、換気扇や換気システムをうまく使うことも有効だ。部屋の空気を常に循環させることによって、新鮮な空気を取り込めば、結露が発生しにくくなる。最近では、マンションなどに導入されていた24時間換気システムを、一般の住宅に設置する家庭も増えてきているようだ。
梅雨や花粉の季節など、どうしても洗濯物を部屋干しをしないといけなくなる場合があるだろう。当然ながら、部屋干しは室内の湿度を上げ、結露を発生させる原因になる。部屋干しする際には、暖房をつけるなど室温を上げることや、できるだけ湿度の高い場所に干さないようにすることが重要だといえるだろう。